昔々、霧深いエルフの里エルレイアには、森の精霊との約束があった。毎年、霧が最も濃い夜に精霊たちへの感謝と次年の豊穣を願い、キャンドル祭を開くというものだ。エルフたちはその日のために、一年間、特別な蜜蝋を集め、心を込めてキャンドルを作るのである。
ある年の祭りの夜、エルフの少女ミリアは、自ら作った小さなキャンドルを持って祭りの場へと足を運んだ。ミリアのキャンドルは小さかったが、その炎は独特の青白い光を放ち、周囲の者たちの目を引いた。
祭りが始まり、エルフたちは輪になってキャンドルを灯し、古くからの歌を口ずさみ始めた。ミリアの青白い炎も他のキャンドルの黄金色に混ざり、幻想的な光の海を作り出していた。
その時、突如として風が吹き、一陣の強い霧が舞い上がった。エルフたちの中には霧の中で道を見失う者もいたが、ミリアの青白い炎だけは霧を切り裂き、彼らを導いた。霧が晴れると、そこには普段は見ることのできない輝く森の精霊たちが姿を現し、エルフたちに感謝の意を表した。
精霊たちはミリアのキャンドルの炎に触れ、その光を更に強くした。それからその光は、エルフたち一人一人の心にも灯され、彼らの中に新たな力と希望が宿るのを感じさせた。
祭りの後、ミリアのキャンドルの伝説は里中に広まり、彼女の青白い光は「希望の炎」として語り継がれるようになった。以降、エルフたちはどんな困難にも立ち向かう勇気と、絶えず希望を持ち続けることの大切さを、この祭りを通じて子どもたちに伝えていくのであった。
そして今も、エルレイアのエルフたちは毎年、霧深い森でキャンドルを灯し、古の精霊たちとの約束を守り続けている。ミリアのように、自らの光を信じ、未来への道を照らしているのである。
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