アルミニアの都市の喧騒から一歩離れた教室の中で、リーナとユイは新しい日常を歩み始める。人間界の学びのスタイルに慣れることは、リーナにとって想像以上の挑戦だった。魔法の授業がなく、代わりに数式と歴史の暗記が彼女を待ち受けていた。
リーナの隣では、ユイもまた、つられてうとうとしてしまう。彼女はリーナに耳打ちする。「授業は眠いよね、でもこれも大切なステップだよ。」リーナは微笑みながら、エルフとしての自分のアイデンティティと、この新しい世界での自分との間でバランスを取ろうと努める。
昼休みになると、二人は屋上へと抜け出す。そこからはアルミニアの景色が一望でき、彼女たちはそこに立つとまるで世界を手にしたような気分になれた。そこでリーナはユイに、エルフの文化や魔法について教え始める。ユイはその話に夢中になり、二人の友情は一層深まる。
しかし、時には挫折もあった。試験の点数が思うように伸びないこともあれば、他の生徒との間に文化の隔たりを感じることもあった。でもリーナは、そんな時こそ故郷の森で学んだ「自然と共にある心」を思い出す。
教室の窓から見える街の光と影が、リーナの心にも映り込む。自分たちの居場所を見つけること、それはエルフとしても人間としても同じ。彼女は、この都市の一員として、また新たな自分を見つける旅の途中として、今日もまた授業に向き合うのだった。